超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE)は、摺動摩擦が小さく、耐摩耗性と耐衝撃性を備えた材料です。ライナー、ガイド、帯状の摺動部材などに使われますが、適切な板材のグレードは、接触条件と完成部品の仕様によって異なります。
ライナーや耐摩耗部材をご検討の際は、相手面、接触荷重、動き、使用環境をお知らせください。いただいた条件をもとに、ご要望と供給範囲を確認します。
UHMW-PE板の供給仕様をご相談いただく際は、ご希望のグレード、厚さ、寸法、表面仕上げをお知らせください。部品の取り付け方法と、板材のみの供給か図面に基づく加工かもご指定ください。
確認しておきたい機械特性
1. 衝撃強度
一定の圧力がかかる用途だけでなく、急な荷重を受ける用途では衝撃強度が重要です。グレードごとの結果を比較する際は、試験方法、試験片の条件、温度をそろえてください。試験で「破断なし(no break)」と報告されていても、実際に使用する完成部品が破損や変形を起こさないという意味ではありません。
2. 耐摩耗性
研磨作用による摩耗と摺動摩擦は、材料選定で別々に確認する項目です。粗い粒子を扱うシュートのライナーと、滑らかな相手面に沿って動く帯状のガイド部材では、接触条件が異なります。摩耗データは同等の試験条件で比較し、お問い合わせの際には、扱う材料、粒径、接触条件をお知らせください。
3. 摺動摩擦
摺動摩擦の小ささは、ガイドや帯状の摺動部材にUHMW-PEが検討される理由の一つです。摩擦データを確認する際は、摺動する相手材と試験条件も確認してください。接触面圧、速度、無潤滑で使用するか潤滑剤を使うかをお知らせください。
4. 薬品との接触条件
耐薬品性の判断は、接触する液体と使用条件によって異なります。酸化性薬品と洗浄剤は分けて記載し、濃度、温度、接触時間をお知らせください。ある薬品への耐性が確認されていても、同じグレードがあらゆる混合液に適しているとは限りません。
5. 使用温度の条件
低温または高温で使用する場合は、対象グレードの使用限界を、荷重と使用時間を含めて確認してください。通常の使用温度と、短時間さらされる温度をお知らせください。室温での試験データだけでは、低温や高温での性能は判断できません。
6. 繰り返し荷重と部品形状
荷重の大きさ、負荷時間、繰り返し回数、部品の支持方法をお知らせください。検討するグレードと形状について、クリープ、疲労、寸法に関する要件も明確にしてください。分子量だけでは、疲労寿命や騒音低減の効果を判断できません。
グレードごとに確認したいデータ
- 密度: 対象グレードの数値と試験方法を確認してください。
- 使用温度: 連続使用時と短時間使用時の限界温度、および荷重による制限を確認してください。
- 引張特性: 降伏時と破断時の結果を区別し、試験方法と試験片の条件も併せて記録してください。
- 破断伸び: 数値を比較する前に、グレード、試験方法、試験条件を確認してください。
- 曲げ弾性率: 部品の剛性を検討する際は、データに記載された試験方法と温度を確認してください。
UHMW-PEと他のポリエチレングレードを比較する場合は、当社のPE板の製品一覧から比較対象を挙げ、部品に必要な耐摩耗性、耐衝撃性、加工条件をお知らせください。
確認が必要な使用条件
摩耗対策用ライナー、ガイドレール、シール部品では、材料に求められる条件が異なります。部品の機能と使用条件をお知らせいただければ、候補グレードと供給範囲を確認します。
1. 繊維機械・製紙機械
ガイド、帯状の摺動部材、スクレーパー部品をご検討の際は、接触面、動き、荷重、許容できる摩耗量をご指定ください。図面と検査要件もお送りください。板材の名称だけでは、完成した機械部品の取り付け条件への適合性や性能は判断できません。
2. 食品加工・包装設備
コンベヤーガイドや摺動部品については、食品に接触するかどうかと、納入先の市場で適用される要件を明確にしてください。洗浄条件と併せて、その材料と使用条件に対応する資料を確認する必要があります。工業用のUHMW-PEがすべて食品接触の要件に適合するわけではなく、あらゆる切断用の作業面に適しているとも限りません。
3. 化学設備・排水処理設備の部品
スクレーパーやライニングに使用する場合は、接触する薬品、使用温度、固形分の含有量、機械的な負荷条件をお知らせください。「耐薬品性」という表示だけで判断せず、指定グレードと部品の構成が、その使用条件に合うかを確認してください。
4. 鉱山設備・粉粒体の搬送
シュート、ホッパー、トラック荷台のライナーをご検討の際は、搬送する材料、水分、粒径、衝撃を受ける箇所、固定方法をお知らせください。設備の摩耗、材料の流れ、保守に関する要件を確認する必要があります。ライナーの材質だけで、処理量や一定の交換間隔が決まるわけではありません。
板材と部品の仕様を確認する
UHMW-PE板は、グレード、使用条件、完成部品に求められる仕様を明確にしてご指定ください。材料選定に関わる図面、取り付け条件、検査基準をお送りいただければ、ご要望に合わせて板材の仕様と供給範囲を確認します。
発注時の仕様と検査内容
- 仕様: 材料グレード、厚さ、寸法、表面仕上げ、図面に基づく加工の範囲を確認してください。
- 検査: 供給する仕様に対して、寸法、表面、材料に関する資料の要件を取り決めます。
- 梱包: ご注文の板材の数量と形状に合わせて、梱包と納品の要件を確認してください。
工場に見積もりを依頼する
ご希望の材料グレード、厚さ、寸法または図面、数量、納入先をお送りください。使用条件と、必要な試験資料・適合性資料もお知らせいただければ、供給仕様を確認します。